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スタジン小説 その22
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「レクイエム 」(大王星の朝・・・オーロラ) 作・みなこ
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●2002・12・17更新時間は戻らない。どんなに願ったとしても。 オーロラは、自分の涙に気付いて目を覚ました。 天蓋を通して差し込む光が、夜明けを知らせてくれている。 そう、ここは大王星だった。 平和に満ち溢れ、争いのない、崇高な世界。 もう哀しまなくていい、宇宙には、何ひとつ心配事の無い幸せが、 果てしなく広がっている筈。 穏やかな日常にも慣れ、至福の毎日を堪能しているというのに、 何故私は泣いているのかしら・・・? ベッドからそっと体を起こし、薄布の帳を掻き分けて這い出す。 金色の長い髪がはらりと寝具を打ち、白いナイトドレスの裾から 美しい脚が現れ、ひんやりとした床へ着地する。 オーロラは、長いドレスのトレーンを引いたまま、窓辺へと進んだ。 そのそばの猫脚の椅子に腰を下ろし、窓の外に広がって行く、 生まれたての朝を見つめる。 新しい朝は必ずやって来る。 幸せで、愛しい、静かな平和の営みが、繰り返し、繰り返し。 嬉しい。心からそう思う。でも。 昔は戻らない。時間は還らない。 どんなに今が平和でも。 大好きだった、お父様、お母様。 旅の途中で巡り会い、通じ合いながら、逝ってしまった人達。 ベラミスさんも・・・。 生きていて欲しかった、皆。 この平和を、贈りたかった。 オーロラの青い瞳の中に、真珠のように美しく切ない涙が また浮かび、光りを放つ。 その時、朝日が静かに上昇を始めた。 今日が始まる。新しい未来に続く、今日が。 光を受けて女神のような面差しのオーロラは、 気丈に微笑んでみせる。 時間は戻らない。どんなに願ったとしても。 それでもどうか、お願い。 いつかまた、生まれ変わって新しいあなた達と きっと何処かで会える。 そう信じさせて下さい。 そのために、私はいつまでもここで祈り続けるでしょう。